就職試験上位は女子学生ばかり 男子に下駄履かせ内定与える
人事責任者の本音ブログをうたっているこのブログでこの記事の考察を書いてみる。
その前に弊社の実情を書いておこう。
創業5,6年目のベンチャーである弊社では、男性も女性も同一基準で審査をしている。ポジションの特性に合わせて(女性向けの新商品企画なら女性)選考を行うこともあるが、男性でも女性でも特性の合うポジションの採用であれば基本的に差別等は無い。
上記の様に弊社では存在しない「男子への下駄」だが、何故そのような運用が発生するかは簡単に想像がつく。理由は大きく2つある。
1つ目の理由は「女性は男性に比べて離職率が高い」ということだ。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/12-2/kekka.html
上の図は厚生労働省が発表した、平成23年雇用動向調査の概況の中で公表されているグラフだ。
グラフだけだとわかりにくいが、離職率の数値を見るとよくわかる。
男性 | 女性 | |
19歳以下 | 38.6 | 38.5 |
20~24歳 | 22.9 | 28.1 |
25~29歳 | 14.6 | 24.0 |
30~34歳 | 10.6 | 17.3 |
35~39歳 | 7.7 | 14.1 |
40~44歳 | 7.2 | 12.8 |
24歳までは男女差は5ポイント程度だが、その後男女差は広がり、35~39歳ではほぼ倍の開きが発生している。働きざかりである30~39歳の30代でみても女性のほうが男性より2倍辞めやすいということになるのだ。
離職してしまう理由はそれぞれだが、結婚、育児の他、旦那の転勤などの女性特有の理由が影響うしている。理由はともあれ「男性より女性の方が離職しやすい」という事実は男性に下駄を履かせる理由として十二分だ。
二つ目の理由は「女性が働く環境を整える事の難しさ」にある。
女性に長く働いてもらうためには上記に書いた女性特有の離職理由「結婚、育児、旦那の転勤」を回避出来る環境やルールが必要だ。
最近では産休や育休の整備や拡張の他、育休を男性(イクメン)も取りやすくすることや、仕事をする時間を自分で選択できる制度など、働く女性や親に優しいい制度を用意している企業も増えている。
女性の労働力を活かすためとてもよい制度だが、これらの制度を検討、整備、維持するためには企業にもそれなりの意志と体力が必要になる。意志だけならどこ会社も用意できるが体力だけはどうにもならない場合も多い。
【まとめ】
優秀な女性を雇いたくても雇い続ける自信が無い上に、制度を整えて置かないと離職してしまうリスクが高い。そのため男子に下駄を履かせるのは企業の合理的判断と言わざるをえないのだ。
とは言え、上記に書いた通り、働く女性が活躍しい安い環境を整えている企業は増えてきている。ライバル社より優秀な人材を獲得するために、企業も今後ますます努力が必要になる。
ちなみに、弊社では何故男女差別をしないのか?
答えは一つ。まだ創業5,6年のベンチャーなので、離職率に男女差を感じることは無い(いやむしろ男性の方が離職率が高い)状態にあるからだ。
女性を活かしつつ、企業成長を実現するためこれからの人事部は一皮むけた新たな挑戦をしていく必要がある。