ドラマ半沢直樹では東京中央銀行 大阪西支店・支店長役で、半沢の宿敵である大和田常務に対して従順で、無理な融資に発生した負債の責任を半沢に押し付けようとした人物。
そんな彼も青島電気に転職後は心を入れかえた様子
現在は総務部長と野球部部長を兼任し、組織風土やチーム作りを考える組織開発業務に従事している。
時には社員にリストラによる解雇を言い渡す汚れ仕事を引き受ける一方で、社長の指示に外れた適材適所の人事を行い。
後に青島製作所野球部のエースとなる沖原和也の社員登用を押し通すなど、
その行動に共感を覚えるビジネスマンも多い。
同じ人事責任者としてこのドラマをみていると、三上部長こそ人事責任者にふさわしい人物だということがよく分かる。
そんな三上部長のドラマ中の行動から、人事責任者にふさわしい3つの理由を紹介しよう。
1.組織をつくる調整力
ドラマの中で総務部長である三上は、かなり頻度高く開催(ドラマの感覚だと週1,2回の定例開催か?)されている経営会議においてその存在感を遺憾なく発揮している。
社長と製造部長である朝比奈(六角精児)の意見がぶつかっているときも、
社長から社員の解雇を言い渡されたときも、
朝比奈へ製造部内の不正を指摘するときも、
時には神妙に、時には(あの大阪西支店長時代のように)高圧的に、
感情を顔に出しつつ最適な答えのため働く姿はまさにリーダー。
人事責任者は時に辛い役回りを司る場面もあるが、彼のように従業員に共感しながら、経営の要請に答える調整力が必要だ。
2.誰にでも誠意を持って接する姿勢
野球部長でもある三上は経営会議で会社の危機的経営状況について議論した直後、
野球部員であり、かつ従業員でもある部員たちと台頭の立場で会話をする。
時に涙し時に頭を下げながら、自分のためにではなく「君(目の前の従業員や経営層)のために」何ができるかを考えている。
人事責任者と言う肩書は人間関係を作る際に邪魔をする事もある。
気軽に従業員に声をかけただけで「な、な、なんですか・・・まさか首とか?」なんて反応をされた日には、何を話していても相手の緊張を解くのに相当時間を要する。
だが、彼のように常に末端の従業員と接する時間や姿勢があれば、どんな仕事もやりやすい環境が作れるのだ。
3.人の深層心理を見抜く洞察力
「野球をやりたい」その気持をお封印していた沖原。
「部の失敗を派遣に被せろ」そう支持していた朝比奈製造部長。
三上は人の深層心理を見抜く洞察力で多くの人を救ってきた。
敗退したら即廃部といわれていた野球部が敗れた際に、辞表を持って敗者復活戦での再起を懇願するシーンもあったが、「ここまですれば社長も受け入れてくれるのではないか?」という彼の読みが当たったとも言える。
上司も部下も分け隔てなく対等に接してきた彼だからこそ、人の深層心理にアプローチするすべを身につけたのだろう。
ルーズヴェルト・ゲームは経営も野球も最後まで諦めない。
「逆転」をテーマにしたドラマだ。
今後の逆転劇が気になるところだが、逆転劇の裏に隠された人事責任者である三上部長の活躍からも目が離せないところだ。